【曲構成が斬新すぎる】ミセス『breakfast』を徹底解剖!サビ・転調の意外な特徴とは?

音楽
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今回は、Mrs.GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)さんのbreakfast(ブレックファスト)という曲がすごかったので、感想を交えつつ解説していこうと思います。

個人的に曲の進行や1番2番で変わるアレンジに感銘を受けました。

この凄さをみなさんとも共有出来たらなと思います。ではさっそく始めていきましょう。

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『breakfast』の概要

解説に入る前にこの曲『breakfast』の概要を簡単に説明していきます。

情報番組のテーマソング

この『breakfast』はフジテレビの新ニュース番組「サン!シャイン」のテーマソングとして書き下ろされた新曲です。

朝の情報番組にふさわしく、ニュースについてや朝にすることなどを題材に歌詞が書き下ろされています。

曲名『breakfast』の意味

「breakfast(読み:ブレックファスト)」は「朝食」という意味の英単語です。

朝の情報番組のテーマソングということで、ちょうど朝食を食べながら見る方も多いので、テーマにぴったりの曲名になっています。

では曲の解説に入っていこうと思います。あくまで素人の感想&ミセスさんについてあまり詳しくないので間違っていたらご了承ください。

奇抜な曲構成

まず初めに驚いたのは「同じフレーズが全然来ない」という点です。

曲をフルで聴いてみると、確かにサビなどは繰り返されているものの同じフレーズが規則的に来るわけではなく、「この曲どうなっているの?」と驚きました。

簡単にメロディー別にこの曲の曲構成を整理してみたのが以下です

  • 1番
    • メロディー1「関係ない居ない…」
    • メロディー2「どこかで泣いてる人が居る…」
    • メロディー1「愛想ばっかで芯を食った…」
    • メロディー2「冷めないうちにあったかい…」
    • メロディー3(サビ)「あなただけの世界が…」
  • 2番
    • メロディー4「脆いハイブリッドな…」
    • メロディー5「馬鹿でも良いんだ…」
    • メロディー3(サビ)「あなただけの世界が…」
  • 3番(大サビ)
    • メロディー2「冷めないうちにあったかい…」
    • メロディー3(サビ)「あなただけの世界が」

わたしなりにメロディーを区切るとこのようになるかなと思います。

そのうえで何点か注目ポイントを紹介していこうと思います。

Aメロ、Bメロが繰り返されない

初めに聴いていて気付くのは、1番と2番でA、Bメロが全く違うという点です。最近のJ-POPではたまに見られている曲構成ですね。

直近だとYOASOBIの『Watch me!』やOfficial髭男dism『50%』などがあげられます(50%については曲構成が特殊すぎて例になっていないかもですが笑)

この曲構成にするのは、J-POPとしては少し邪道のようなアプローチになります。同じA、Bメロが繰り返されることで曲を覚えやすくなったり、曲に安定感が出たりするので、そのメリットを捨ててまでこの曲構成にしているという点ではチャレンジしている一曲だと感じました。

一方で、特殊な曲構成にすることで聴き手に「?」と思わせて曲に夢中にさせられる効果もあると思います。実際私は初めて聞いたとき次々に変わるメロディーに釘付けになりました。この『breakfast』は朝の忙しなさも表現していると思うので、曲構成も忙しなく変化させることでその世界観がより一層際立たせられているのかなとも感じています(拡大解釈かもしれませんが。)

サビのアレンジの多彩さ

次に注目したいのが、サビのアレンジの多彩さです。

具体的には、サビのコーラス(いわゆるハモリ)とサビに入るタイミングが3回ともそれぞれ異なっている点が非常に面白いなと感じました。

サビのコーラスアレンジ

まずはコーラスについて書いていこうと思います。サビの「あなただけ~広がってゆく」部分のコーラス(ハモリ)について、以下にまとめました。

  • 1回目…100%完全にコーラスのみ
  • 2回目…コーラスに加えてVo.大森さんの歌唱も入る。コーラスはハモリとして入っている
  • 3回目…「私らしく『おはよう』」から大森さんの歌唱が入る

というようになっています。どこでボーカルの声が入るのかを毎回変えているのが工夫されていてすごいですよね。

これも先ほどと同じで変化を加えることで曲に深みが生まれるほか、朝の忙しなさも表現されているのかなと思います。

このサビが完全にコーラスになる曲というのは比較的珍しいです。他でぱっと思いつくのはヒゲダンの『SOUL SOUP』などですかね(「無謀な理想が五臓六腑に突き刺さる」の部分)。ミセスとしてはサビで完全コーラス部分が入るのは初なんでしょうか?(詳しくなくてごめんなさい)

サビの入るタイミング

続いてはサビのタイミングについてです。

タイミングについても以下にまとめました。

  • 1回目…ラストのメロディーが二回繰り返されてから(『私らしく「おはよう」』のあと)
  • 2回目…ラストフレーズの繰り返しなしでナチュラルに入る
  • 3回目…ラストフレーズに若干かぶせながら入る

このように、サビに入るタイミングも毎回変わっています。

そしてまとめると分かるように、どんどん入るタイミングが早くなっているんですよね。

1回目ではラストフレーズを繰り返すので2小節分待ってから、2回目はそのまま入るので半小節分、3回目はかぶせるのでもはやマイナスで入っています。

これも朝のドタバタを表現しているのかもしれません。

オーソドックスな転調でもオーソドックスではないタイミング

続いてはラストに行われる転調についてです。

この曲では大サビで+2の転調が行われます。全音上げる転調です。

最後の「冷めないうちに…」からCメジャー→Dメジャーへの+2の転調が行われます。この転調自体はとりわけ珍しいことではなく、J-POPだとよく見られる転調です。YOASOBIさんなどが多用している印象があります。(半音をあげる転調もよく見られます。)最後にキーをあげることでより盛り上がりを与えたり、ラストスパート感を出すことができます。

ただ、ここで注目したのは転調の手法ではなく、転調のタイミングです。

「冷めないうちに…」というサビのひとつ前のフレーズから転調しているのが少し独特だなと感じました。普通はサビの部分だけ転調しているのが定番なので、ここは普通の楽曲とは少し異なります。そもそも、普通の楽曲は大サビの前にDメロ(Cメロという人もいる)が入り、そのあとに大サビが来るパターンが多いです。この曲ではDメロの代わりに2ブロックの「冷めない…」が来ている点でも面白く、さらにその部分から転調していて2ブロック自体がサビのように扱われているのが新鮮で興味深かったです。


また、余談なのですが私が驚いたのはこの曲、実はCメジャーで大サビめでずっと進行しているのです。

ミセスの印象として楽曲のキーもかなり尖ったキーを用いていたり、ジャンジャン転調していくイメージだったので(ライラックなど)、大サビまで転調なしでしかもシンプルなCメジャーのキーなのには驚きました。

コード進行についてあまり詳しくないので簡単に触れるにとどめますが、この『breakfast』はコード進行についてもかなり王道で、ダイアトニックコードがメインのシンプルなコード進行のように感じました。

朝のさわやかさを表現するために、シンプルなコードを用いるように工夫したのかもしれないです。

さらに余談なのですが、直近のJ-POPはCメジャーの曲が増えてきているように感じます。星野源さんの『Why(光の跡)』のイントロであったり、アオのハコEDのTOMOOさんの『コントラスト』であったりと、Cメジャーが今のトレンドなのかもしれません。

同音が続くメロディー1が珍しい

また、メロディー1の音程も特徴的だなと感じました。

メロディー1の歌詞、ミセスにしては歌いやすそうだなと感じた方も多いのではないでしょうか。

実はメロディー1の「関係ない…」の部分はかなり同音が多く、音域が狭めになっています。ここまで同音が続くと逆に新鮮に感じました。

淡々とメロディーが進んでいるように感じられるので、テンポがつかみやすいですし、抑揚がないことでそこはかとなく暗さが滲みだしていて明るいこの曲のアクセントになっているように感じました。

音程としてもずっと低い音が続くので暗さが引き立っていて、かなり好きな部分です。

よく聞くと工夫たくさんの『breakfast』

今回はMrs. GREEN APPLEさんの『breakfast』という曲について個人的に分析解説してみました。

よく聞いてみるといろいろな工夫が凝らされたおもしろい楽曲だなと感じました。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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