「かがみの孤城」感想と考察【筆者が伝えたいこととは何か、解説します】

書評、本
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雨の音と匂いに包まれた部屋に戻ると、姿見が、光っていた。
五月の終わりのあの日から、朝は毎日、こうだ。
鏡が光っている。
あの城への入り口が開いて、こころを呼んでいる。

辻村深月、かがみの孤城より

こんにちは。

今回は辻村深月さんの小説「かがみの孤城」についてご紹介していこうと思います。

この記事では

  • かがみの孤城のあらすじ
  • かがみの孤城を読んでみた感想
  • 筆者が伝えたいこと
  • 特に読むのをおすすめしたい人

について書いていきます。

ぜひ最後までご覧ください。

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あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた”こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような建物。そこにはオオカミの面をつけた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。城に隠された鍵を探すことで願いが叶えられるという。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。本屋大賞受賞作。

辻村深月、かがみの孤城より

この物語の主人公は中学一年の安西こころ

中学校入学後、ちょっとしたことから同級生で中心的存在であった真田美織にいじめられるようになり、こころは不登校になってしまいます。

ある日光った鏡の中に飛び込むとそこには城と、こころと同じ境遇を抱える6人の中学生がいました。

城にある鍵を見つけた人が願いを叶えられると、この城にこころを読んだオオカミのお面をかぶった少女が言います。

城での出来事を通じて次第にこころやそのほかの少年少女たちが困難を乗り越えていくといった話です。

この小説は不登校、いじめに焦点を当てて描かれています

現在深刻な問題として取り上げられることも多くなったいじめや不登校について考えさせられる一冊です。

主要登場人物

こころ

この物語の主人公。中学校入学後にいじめを受け、不登校となった。

アキ

ポニーテールの中学三年生。事情で不登校であり、城にいる人の中でも中心的なキャラ。

スバル

アキと同じく中学三年生。同じく不登校になっている。フレンドリーでこころにも気さくに話しかけてくれた。

リオン

イケメンな中学1年生。実は不登校ではなく、現在ハワイに留学中。

フウカ

おとなしい性格の中学二年生。つやつやとした声優のような声が特徴的。同じく不登校。

マサムネ

眼鏡をかけた生意気そうな中学二年生。ゲームが好きで城にゲーム機を持ち込んでいる。

ウレシノ

小太りな中学一年生。同じく不登校である。

オオカミ様

オオカミのお面をかぶった少女。この城にいつもいる。

喜多嶋先生

こころのフリースクールの先生。こころに親身になって相談に乗ってくれるようになる。

かがみの孤城の情報

本屋大賞受賞

「かがみの孤城」は本屋大賞を受賞している作品です。

累計150万部突破をしているベストセラーの本となっています。

かなりの高得点で本屋大賞を受賞したすごい作品です。

アニメ映画化

2022年にアニメ映画として映画化されました。

声優には當真あみさんや北村匠海さんがキャスティング。

主題歌は優里さんの「メリーゴーランド」。

ぜひ小説と一緒に映画も見てみてください。

読んだ感想

読みやすい

かがみの孤城はとても読みやすい本です。

伏線が多いミステリーとかだと

  • 時系列がバラバラ
  • 複数主人公
  • 回想シーンと現在のシーンの区別がわかりにくい

といったことが多く、本を読みなれていない人は読むのが難しいです。

このかがみの孤城はその点では

  • 時系列がわかりやすい
  • 基本的に主人公のこころの視点で話が進む
  • 難しい伏線はない
  • 描写一つ一つが細かく丁寧

です。

そのため一度読んだだけでもストーリーが分かりやすいです。

本に読みなれていない学生さんなどにも読みやすいのでおすすめできる本です。

その一方で、しっかり読み込んでいくと伏線もたくさんちりばめられていて、読書通の人にもおすすめです。

最後の展開には驚きを隠せない

かがみの孤城は最後に怒涛の伏線回収があります。

今までのエピソードがすべて一つにつながっていくようなそんな感覚にになります。

それも一つではなくいくつか複数の伏線回収がされるので、何度も驚いてしまいます。

この小説は伏線回収が最大の魅力といっても過言ではないでしょう。

ここを読むためにも、ぜひぜひ最後までかがみの孤城を読み進めてください。

中盤は少し物足りないかも

ラストは怒涛の伏線回収で最高ですが、一方で中盤は少し物足りなさを感じました。

かがみの孤城は上下巻の二冊展開なのですが、その分文章の量も多いです。

その割に起きる出来事が少ないので、中盤あたりで少し飽きてしまいました。

ただ、ラストは本当に読む価値があるので、途中で読むことをやめないで最後まで読んでください!!

中盤の内容がラストにつながっている点もあるので、少し物足りなさも感じますが読み飛ばさず丁寧に中盤も読んだ方がいいです。

筆者が伝えたいこと

ここまでかがみの孤城を読んでの感想を述べてきましたが、ここからは私がこの小説を読んで考察した、筆者がこの本で伝えたかったことをご紹介していこうと思います。

必ずしもこれは正解ではなく、私の想像になりますがよかったらご覧ください。

いじめや不登校の複雑さ

かがみの孤城はいじめや不登校を主題として書かれています。

なのでこの本を読んでの第一印象で、いじめや不登校の複雑さを考えさせられました。

近年ますます問題になっているいじめや不登校ですが、その実態は当事者でないと分からない部分があります。

この小説を読むことでほんの一部分かもしれませんがいじめや不登校について知ることができるように感じます。

いじめは突然起きる

このかがみの孤城の主人公こころは同級生で中心的人物であった真田美織から目をつけられたことが原因でいじめを受けるようになります。

いじめを受けたからといって、こころは特に悪いことをしてはいません。

それでもいじめられてしまうことがあるのです。

何かと感じることが多い思春期の中学生などは特に、ちょっとしたことからいじめが勃発してしまうということを改めて知ることができました。

そしてそのちょっとしたことが原因で不登校になってしまうということです。

何も本人に非があるわけではないということに気付かされます。

いじめていないつもりでもいじめになってしまう

そんな風にいじめを受けていたこころですが、城の中で加害者側になってしまいます。

城のメンバーであるウレシノがこころに言い寄ってきたことに不快感を感じたこころは、ほかのメンバーもウレシノをよく思っていないことを知りウレシノのことを馬鹿にするような態度をとったりしてしまっていました。

いくらいじめに苦しんでいて、いじめは嫌だと思っていることでもいじめる側に回ってしまうことはある。

いじめていないつもりでも本人にはいじめに感じられてしまうことがある。

そんなことに気付かせてくれます。

特に読むのをおすすめしたい人

とくにかがみの孤城を読むのをおすすめしたいのは

  • 中高校生、大学生
  • 子供を持つ親

です。

いじめの問題が起こってしまう前に、また起こってしまった後でも一度この本を読んでおくことでいじめや不登校に対しての印象が変わると思います。

かがみの孤城、ぜひ読んでみてください

今回は辻村深月さんの小説「かがみの孤城」について述べてきました。

一度読む価値はあると思います。

ぜひ手に取ってみてください。

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