髭男が復帰しました!
今回は髭男が復帰して最初にリリースした曲『SOULSOUP』の歌詞の意味を考察していこうと思います。
この『SOULSOUP』は映画 『SPY×FAMILY CODE:White』の主題歌となっていて、SPY×FAMILYの世界観も表現された曲です。
復帰後初とは思えないほど力強い曲となっていますが、歌詞も同様力を与えてくれるようなそんな歌詞になっています。
この記事では私が個人的に考察した『SOULSOUP』の歌詞の意味をご紹介していこうと思います!
歌詞の意味考察
1番
声すら失うような絶望味のスープを
一生に少なくとも一杯飲まなくちゃならないみたいだ
怠惰や弱音を混ぜた自家製の大ピンチが
今僕の目の前で湯気を立ててる
危険な色が渦巻く
Official髭男dism, SOULSOUPより
今回のテーマはおそらく「人生の苦難」。
人生を歩んでいる過程で、必ずと言っていいほど一度は絶望のどん底を味わうことがあるでしょう。
人生における絶望を一杯のスープにたとえてこの曲では表現されています。
「一生に少なくとも一杯飲まなくちゃならないみたいだ」というのは、この曲の主人公は「声すら失うような」絶望をこれから味わうのでしょう。
「怠惰や弱音を混ぜた自家製の大ピンチ」ということは、自身の怠惰や弱音が招いた結果の絶望なのでしょう。
「自家製の大ピンチ」という表現はユーモアがきいていて面白いですよね。
そんな自分で招いてしまった絶望のにおいがする大ピンチが主人公の目の前で「湯気を立てて」待ち受けているのです。
2番
息を吸ったときに感じた外野の香ばしさと
銀色の匙に映りこんだ歪にこちらを睨む顔
「あんたじゃ役不足だ」と主張しているみたいだ
余計な五感は塞いだ
Official髭男dism, SOULSOUPより
こんな絶望の淵にいる主人公。
「外野の香ばしさ」というのは、主人公以外の人の様子でしょう。
わざわざ「香ばしさ」と表現されているので、主人公以上に魅力的に見えるような人たちでしょう。
それに対照的な歪な自分自身。
匙に映るりこんだ睨む顔、すなわち自分自身が「あんたじゃ役不足だ」と主張しているように感じられてしまいます。
周りにも否定され、自分すら信じられなくなるともう何も聞きたくないし考えたくなくなりますよね。
主人公も同様で、「余計な五感は塞い」で現実逃避しようとしているのかもしれません。
サビ
無謀な理想が五臓六腑に突き刺さる
ビターなこの現代と引き立て合ってクセになる
「変わった嗜好だ」って言われなくたって知ってる
でもご馳走様と共に僕は僕で在りなおしたいんだ
Official髭男dism, SOULSOUPより
主人公の葛藤はヒートアップしていきます。
自分の「無謀な理想」の無謀さが感じられて、「五臓六腑に突き刺さる」ほどに痛感していますね。
でもその一方で、厳しい現実、すなわち「ビターな現代」と引き立てあって、逆にクセになりそうになっています。
困難は大変な一方で、大きな壁こそ乗り越えたいと気持ちが昂ることもありますよね。
大変だからこそ、やってやるよという気持ちになるのかもしれません。
自身の嗜好についても「変わった嗜好」と揶揄されてしまいます。
しかしそんなことはとうに知っている。
それでも、この困難な大ピンチを乗り越えて「ご馳走様」と言い終わるころに、もう一度「僕」であり直したい。
信念を曲げてまでピンチから逃げるよりも、ピンチに立ち向かって自分を曲げたくないという主人公の強い気持ちがうかがえる箇所となっています。
震える指汗ばむ襟 痛みと疲れと失敗を
憂いてても拒んでてももうマシになることはないだろう
流し込む度増してく渇き泡立つ不気味な祝杯を
一滴残さず飲み干すまで
YEAH!
Official髭男dism, SOULSOUPより
絶望に飛び込んでいき、苦しむ主人公
でも「憂いてても拒んでももうマシになることはないだろう」。
自分で引き起こした事なのだから、憂いたり拒んだりせずに受け入れようと覚悟を決めます。
「流し込む度増してく渇き」絶望を経験して、さらに大きな欲求・目標ができたのではないでしょうか。
つらいことを経験することで、逆に今後の原動力になっているのです。
「一滴残さず」に苦痛を味わって、主人公は次のステージへと歩んでいくのでしょう。
Dメロ
独りきりで生きてた時より大盛りになったな
ギブアップなんて言える空気でもないよな
でも独りきりで生きて良いよと言われたしたっても
選ぶわけないほどあなたとの日々を欠かしたくないの
Official髭男dism, SOULSOUPより
おそらく主人公はいま家族を持っているのでしょう。
SPY×FAMILYのロイドと状況が似ていますね。
独りきりで生きていると、誰かと一緒に暮らしているときより責任は軽いです。
全て自分にしか影響がないので。
ですが、誰かと一緒に生活していれば自分の失敗は家族にも影響がかかり、責任は一人の時以上に大きく重くなります。
簡単にあきらめて「ギブアップ」とは言えないでしょう。
「でも独りきりで生きて良いよと言われたしたっても
選ぶわけないほどあなたとの日々を欠かしたくないの」
責任は大きいしつらいけれど、それでもあなたとの日々を欠かすことはできない。
それほどまでにあなたとの日々は大切なのでしょう。
自分がつらくなろうと、家族とのあなたとの日々を守るために主人公はピンチに立ち向かうのです。
大サビ前
ご馳走様と共に僕はもう一度宿したいんだ
ため息に吹かれ冷めた心
沸かすような熱を
Official髭男dism, SOULSOUPより
「ため息に吹かれ冷めた心」。自身のため息で小さくなった熱量。
その熱をもう一度沸かすほどにまで宿したい。
大ピンチで意気消沈になりかけていた主人公は、徐々に前の熱量を取り戻していこうと奮闘していくのです。
大サビ
震える指汗ばむ襟痛みと疲れと失敗を
憂いてきて拒んできてもう諦めるのにも飽きただろう
流し込む度増してく渇き泡立つ不気味な祝杯を
咽せながら頂くそれでこそ人生だろう
Official髭男dism, SOULSOUPより
最初のサビの「もうマシになることはないだろう」から「もう諦めるのにも飽きただろう」と変化しています。
諦めて逃げ続けるのは簡単かもしれません。
でも時には挑戦していかないといけません。
もう飽きるほど諦めてきただろうと自分に言い聞かせ、諦めずに立ち向かうように自分を鼓舞しているのです。
「咽せながらいただくそれでこそ人生でしょう」髭男の言いたいことがここに全て詰まっているように感じます。
人生はいいことばかりではありません。
時には咽せてしまうような苦汁をなめることも多々あるでしょう。
ですが、人生とはそういうもの。
苦しいこともあって、それを乗り越えることで一層自分が自分でいられるようになるのだ。
一言では言い尽くせませんが、髭男はこの曲を通してこのようなことを伝えたかったように感じました。
続く暮らしふとした時煮詰まる悩みや悲しみを
そこら中ぶちまけてしまいたくなるような時でこそ
止めるな匙続け渇き全ての未来に乾杯を
Give Me運命のカケラ この世の奥に隠れたそいつを掬い出すまで
一滴残さず飲み干すまで
Official髭男dism, SOULSOUPより
暮らしていると悩みや悲しみも出てきます。
「ぶちまけてしまいたく」なるようなこともあるでしょう。
そんな時でも、そんな苦難を受け入れ、「匙」を止めずにそのあとにやってくる未来に乾杯していこう。
苦難の後には明るい未来が待っています。
その明るい未来のために、大変な苦難も乗り越えていこうというメッセージだと思います。
苦難を飲み干せば、奥に隠れていた「運命のカケラ」が見つかるかもしれません。
それを掬い出すためには苦難を「一滴残らず」受けきるのがいいのかもしれません。
苦痛から逃げたくなる気持ちはとてもよくわかるが、苦痛の後に明るい未来が待っているよというのがこの曲の最後のメッセージです。
『SPY×FAMILY』との関係性
この楽曲は『SPY×FAMILY』の映画の主題歌として書き下ろされました。
そのため歌詞の至る部分で作品をイメージさせるような言葉がちりばめられています。
例えば
でも独りきりで生きて良いよと言われたしたっても
選ぶわけないほどあなたとの日々を欠かしたくないの
Official髭男dism, SOULSOUPより
の部分は、主人公ロイドの心理を表しているように思われます。
はじめこそ偽装家族として任務のために家族を作りましたが、次第にロイドがアーニャやヨルさんに偽装家族以上の想いを抱くようになっていきます。
いまとなっては大切な家族同然でしょう。
直接的に映画と関係する歌詞は少ないですが、細かな点で映画も意識して作られているので、そこにも注目して聞いてみてください。
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『SOULSOUP』まとめ
今回はOfficial髭男dismの『SOULSOUP』の歌詞の意味を考察してきました。
「SPY×FAMILY」とのコラボは二回目となりますが、ミックスナッツといい題材にするものが面白いですよね。
ちょっと普通と異なった世界観の中に現実の心理を突いた歌詞が入っている天才的な曲でした。
ぜひ何度も味わってみてください!
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よかったらご覧ください。