Omoinotake『ひとりごと』歌詞考察|切ないバラードソング、隠されたメッセージに迫る

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エンディングにぴったりな沁みるバラードソング。今回はOmoinotakeの『ひとりごと』の歌詞の紹介との意味を考察していこうと思います。

この曲はアニメ「薬屋のひとりごと」第2期第2クールのED曲として書き下ろされました。

離れてしまった大切な人をいまも思い続ける切ない歌詞が続くような曲になっています。ぜひ最後までご覧ください!

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1番Aメロ

いつもの場所に今年も あなたの好きな花が咲いたよ

並んで耳を澄ませた あの虫の音も鳴り始めたよ

Omoinotake,『ひとりごと』より

イントロなしで始まるAメロ。

この「ひとりごと」は全体を通していなくなってしまった、別れてしまったあなたを今も思い続ける歌詞が続くのですが、その片鱗がAメロからもうかがえます。

例えば「並んで耳を澄ませたあの虫の音」という部分。

よく聴くと「並んで耳を澄ませ”た”」と過去形になっています。

つまり、「今は並んで耳を澄ませていない=あなたと一緒ではない」ということが暗示されています。

細かい部分で切なさを出してくる歌詞で、この曲の雰囲気をAメロから形作っていますよね。

1番Bメロ

わたしの小さな声も 耳寄せて拾ってくれたね

宛先は変わらないままで 宙に消えていく声はどこへ届く

Omoinotake,『ひとりごと』より

Aメロに続いて過去形の歌詞が登場します。

「耳寄せて拾ってくれたね」という過去と、「宙に消えていく声」という今は言葉を拾ってくれる人がいなく宙に消えていってしまうという情景の対比が切ないです。

「宛先は変わらないままで」という歌詞から、いまだにわたしはあなたに向けて声をかけている姿が浮かんできてより一層切ないです。

ここで「宛先」という言葉を当ててくるところにもセンスを感じます。話しかける相手を宛先と表現するのはなかなか思いつきません…

1番サビ

相槌だけでいいから聴かせて

優しく頷く笑顔に逢いたい

Omoinotake,『ひとりごと』より

相手を想う気持ちがあふれだす歌詞になっています。

相槌だけでも聴きたいというのは相手に共感や話を展開してもらうことは求めていないという風にも解釈できます。

つまり、ただあなたにそばにいてもらい、話を聞いていてほしい、ただそれだけでいい、という思いが込められているのではないでしょうか。

相手に特別なことを求めるわけではなくただいてほしいという想いから、相手を大切に想っている主人公の気持ちがひしひしと伝わってきます。

しかも、Omoinotakeのボーカルのレオさんのハイトーンの歌声と相まって、さらに切なさや思いの強さが伝わってくるように感じて、感無量です…


どんな言葉もあなたがいないとただのね ひとりごと

あの日あなたの隠れた気持ちに

気づけていたらいまもね

ふたりごとの世界にいれたのかな

Omoinotake,『ひとりごと』より

「あなたがいないとただのひとりごと」という歌詞、とても切ないです。

相槌すらもあなたがいなければうってくれない。私が話してもただのひとりごとにすぎなくなってしまう。

「気づけてたら今もね」という歌詞から、気持ちに気づけなくて今はあなたが離れてしまったということが推察されます。「ふたりごとの世界にいられたのかな」と二人でいられた世界線を想像している歌詞も切ないです。

サビ全体を聴くと、最初の相槌だけでいいから聞かせてというもの、離れてしまったあなたに戻ってきてほしいという切実な思いがこもっているように感じられると思います。

そして、「薬屋のひとりごと」とのタイアップ曲なので、曲名にもなっていますが「ひとりごと」というワードを歌詞に入れこんできているのもいいですよね。

タイアップソングとしても楽しめる工夫がなされていて曲のいろいろな楽しみ方ができそうです!

2番Aメロ

万能薬の笑顔が消えても呼吸は続いてく

癒えきることはないけど思い出たちをかさぶたにして

Omoinotake,『ひとりごと』より

いなくなってしまったあなたへの心残りをつづる歌詞が続きます。

「万能薬」の笑顔という表現が、薬屋のひとりごととリンクしていておしゃれです。

万能薬という言葉から、何があってもあなたの笑顔を見ると救われる、そのような存在であったことが読み取れます。

ここで一つ感じたのですが、わざわざ「呼吸は続いていく」という表現を使っているので、もしかしたら「あなた」と主人公は死別してしまったと捉えてもいいのかもしれません。特に根拠はないので推論でしかないですが、失恋で離れたというよりは、死別してしまったというシチュエーションで考えても面白いように感じます。

このように考察すると、思い出たちをかさぶたにという歌詞は、あなたがいたころの思い出を思いだして何とかあなたとの死別の悲しみを耐えているという、より一層切ない考察もできると思います。

2番Bメロ

足りない足音ばかり探してた月日を越えても

夜行性の泣き虫だけは

今も上手に飼い慣らせずにいるの

Omoinotake,『ひとりごと』より

ここでの足りない足音というのは「あなたの足音が聞こえない→あなたがいなくなってしまった」という比喩でしょう。

次の「夜行性の泣き虫」という比喩もとてもおしゃれです。どんなに乗り越えたと思っても夜になるとふと泣けてきてしまう。このような切ない状態を「夜行性の泣き虫は飼い慣らせない」という隠喩で表現することには脱帽です…

夜になると思い出して泣いてしまうような経験をした人にはめちゃめちゃ刺さる歌詞になっていると思います。

2番サビ

あなたを知って初めてわたしは わたしになれたの

こんなに大事な想いさえもね目を見て贈れずに居たんだここでまだ

Omoinotake,『ひとりごと』より

2番サビは2番Aメロで上がった「あなた」と死別してしまったという前提で考察してみようと思います。

あなたを知ってはじめて私はわたしになれた、というのはあなたの存在が主人公にとってどれほど大きな存在だったのかを容易に想像させられる歌詞になっています。

「大事な想いさえもね目を見て贈れず」という歌詞に共感する方は多いのではないでしょうか

これは恋愛にかかわらず多くの状況に当てはまると思います。

大切な人にほど、大事な想いは直接伝えそびれてしまう、直接伝えるのを恥じらってしまうことはよくあるのではないでしょうか。

恋人や家族、友人など、近しい人ほど普段から感謝を伝えることはあまりないと思います。

一方で、伝えられない間にこの曲のように相手が手の届かない場所に行ってしまう、そんなことも起こりえます。

そんなメッセージ性をはらんでいるのがこの2番サビです。いろいろと考えさせられます…


あの日のあなたの心に寄り添う言葉ばかりをいまもね

答えのない世界で探してるの

Omoinotake,『ひとりごと』より

この部分は1番の歌詞とリンクしています。1番の「隠れた気持ちに気づけていたら今もね」という部分と想いは一緒でしょう。

隠れた気持ちに気づいて、寄り添う言葉をかけていたらあなたはまだいなくなって(亡くなって)いないかもしれない。抑えている気持ちに気づくことができなかったから、あなたは死んでしまったのかもしれません…そう考えると主人公のつらさがまるで自分のことのようにひしひしと感じられます。

Dメロ

おんなじ明日が平等にまた降り注ぐなんて思っていた

嘘のつけないあなたが「またね」と手を振った姿 信じ続けてる

Omoinotake,『ひとりごと』より

Dメロでは畳みかけるように切ない歌詞が続きます。

「おんなじ明日が平等にまた降り注ぐ」というのはあなたがいる日常がずっと続くと思っていたのに…という主人公の気持ちを反映した歌詞でしょう。

「嘘の付けないあなたがまたねと手を振った」という歌詞も切ないです。

またねといったからにはまた会えることを信じたいという切実な思いが伝わってきます。一方で、この不確実さに賭ける気持ちから主人公が実際にはあなたが戻ってくることはないことを知っているということも暗に示されていて、胸が締め付けられそうになります。

Dメロの破壊力がすさまじいです。

大サビ

相槌だけでいいから聴かせて

優しく頷く笑顔に逢いたい

どんな言葉もあなたがいないとただのね ひとりごと

Omoinotake,『ひとりごと』より

歌詞自体は同じですが、2番を通して聴くと聴こえ方が異なってきます。

会いたいではなく「逢いたい」と描いたのは、亡くなってしまって違う世界に行ってしまったから、会うではなく世界を飛び越えて「逢う」という表現にしたとも考察できそうです。(少し無理やりですが…)


「さよなら」だけは言わずに待ってる

苦しくってもいつかね ふたりごとの世界あなたへただ

「おかえり」って目を見つめ贈りたいから

Omoinotake,『ひとりごと』より

さよならではなくおかえりと言いたい。最後の最後に比喩ではなくストレートな歌詞でこの曲は終わります。

今まで比喩的な表現が多かった分、最後のこの歌詞は心に突き刺さります。

さよならという別れの言葉ではなく、おかえりという言葉を贈りたい。また逢いたい気持ちが伝わってくる歌詞です。

目を見て贈りたいという歌詞は、2番の「目を見て贈れずにいた」という歌詞の対比になっているのもポイントです。あなたがいなくなるまでに目を見て贈れなかったから、今度会えた時は目を見て贈りたい、叶わないであろう願いが切ないです…

「ひとりごと」考察すれば考察するほど切ない一曲

今回はOmoinotakeの『ひとりごと』という歌詞を考察してきました。

考察すればするほど切なさが際立ってくる歌詞です。

今後の薬屋のひとりごとの展開ともリンクしていてアニメとセットで聴いても沁みる部分が数多くあると思います。

ぜひ何回も聴いていろいろな考察をしてみてください。

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