こんにちは。
この記事では薬屋ひとりごと4巻に収録されている「阿多妃」(18話)についての考察をしていこうと思います。
ついに壬氏の正体がほとんど確定するところまで来る、大事な話となっています。
前回から本格的に登場していた阿多妃が、壬氏に関する大きなキーポイントになるなんて予想できませんでした。
ぜひこの解説と考察を読みながら、一層深く読者の皆さんも考察を進めてみてください!
あらすじ
まずは簡単にあらすじを振り返っていきましょう。
風明が園遊会で毒を盛ったことを自白し、風明の処刑が行われた。
そのあとの夜、猫猫はふと城壁の上へ気晴らしに行く。
するとそんな猫猫のもとに阿多妃がやってくる。
猫猫は阿多妃と一緒に酒を飲みかわし、阿多妃の自白のようなものを聞くこととなる。
その後日、阿多妃はついに四夫人の座を退き、南離宮へ去っていくこととなる。
そんな阿多妃の姿を見ているうちに、猫猫はある推理を繰り広げ始める。
壬氏は誰と酒を飲んでいた?
この話で一つ明言されなかった点として挙げられるのが、壬氏の酒を飲みかわした相手です。
阿多妃と話をした後に城壁から降りるとそこには壬氏がいました。
壬氏が言うには、壬氏は主人に飲まされるだけ酒を飲まされ、主人がどこかに出かけてしまったと思ったら帰ってくるなりすっきりしたといって壬氏を置いて帰ってしまった。とのこと。
果たしてこの「主人」とは誰なのでしょうか。
壬氏と酒を飲んでいたのは阿多妃
おそらくですが、壬氏と酒を飲んでいたのは阿多妃である可能性が高いです。
主人が一度どこかへ出かけたというのがポイントです。
猫猫と阿多妃が話していた時間が、壬氏の主人が出ていた時期と一致すると考えると、つじつまが合います。
つまり壬氏を置いて外に出た阿多妃は猫猫と少し会話をし、それによって気持ちが晴れたので壬氏の元に戻った後にすっきりしたといったのではないでしょうか。
阿多妃は四夫人の一人。
壬氏と単独で酒を飲むほど壬氏が上の立場なのかはわかりかねますが、壬氏と阿多妃の間に立場以上の特別な関係がある可能性もあります(詳しくは後述)。
壬氏と阿多妃が酒を飲んでいたとしてもそこまでおかしくはないでしょう。
あえて壬氏が出されているあたり、作者からしても壬氏と阿多妃の関係性を暗示したくて描写したのかもしれません。
壬氏の正体は…
続いて、これは読んでいても十分に気付くと思いますが、壬氏の正体がほぼほぼ確定しましたね。
あくまで猫猫の頭の中での推測にすぎませんが、根拠もはっきりしているので確実に当たっているとみて間違いないでしょう。
改めて書くと、壬氏の正体は現皇帝と阿多妃の間に生まれた子供です。
簡単に言うと、皇帝の子供ということです。
つまり皇位継承者にすらなることができるほどの生まれだということです。
この結論に行きついた猫猫の推理を振り返り、解説していこうと思います。
猫猫の推理
阿多妃の「いなくなってから」という発言
猫猫が阿多妃の子供の死亡を疑い始めたきっかけがこの「いなくなってから」という発言です。
猫猫の言うように、子供が死んでしまったことを「いなくなる」と表現するのはいささか疑問ですね。
死んでしまったのではなく、生きているけれど近くにいないという風に猫猫は捉えられることに気づきます。
阿多妃と壬氏は似ている
2つ目のポイントは容姿の話です。
壬氏と阿多妃の見た目はかなり似通っています。
横に並んで絵を見るとその似通っている感じがより分かりますね。
壬氏と阿多妃の間に血縁関係があってもおかしくないです。
羅門が肉刑を受けた
羅門こと猫猫のおやじは阿多妃の子の出産に関してのミスから肉刑を受け、後宮を追いやられています。
脚の骨を抜かれるというひどい肉刑です。
ただ、普通に考えて阿多妃の子宮を失わせてしまい、子供がなくなってしまったとしても、この時代であれば子供が生きられる確率は今より相当低いので、重い罰にはならない可能性が高いです。
何しろ出産時には子供も母親も生きて助かり、赤子の死亡も原因不明です。
ただ、もし阿多妃の子供(壬氏?)と皇弟が入れ替わっていて、皇弟を死なせてしまったとなれば肉刑にもうなずけます。
これが事実なら壬氏は皇帝の弟という扱いで、実際には阿多妃の子供として生きていることになります。
皇弟が弱い立場にある
皇弟が弱い立場にあることも壬氏が皇弟を名乗っているとすれば筋が通ります。
現在皇弟は病弱とうわさされ、めったに人前に出ません。
以前の考察では何かしらの理由で宦官である「壬氏」という役職をしているため、表舞台に出ていないのではないかという考察をしました。
ですが、今回の話でほかにも考察が行えるのではないかと思います。
壬氏が皇弟として生活している場合、壬氏は実際には皇弟ではありません。
実際には現皇帝の子供であり、入れ替わった結果生き残っているにすぎません。
そのため実は皇弟ではなく入れ替わりである壬氏の立場はかなり弱いのではないでしょうか。
阿多妃が後宮にとどまり続ける理由
阿多妃が子宮を失ったにもかかわらず後宮に残っていた理由も、壬氏が阿多妃の子供であった場合、浮かび上がってきます。
簡単に言うと、壬氏が成長しきるまで母親として壬氏を見守って行きたかったから後宮に残ったのではないでしょうか。
その裏付けとして、壬氏がある程度まで成長した現在、阿多妃は四夫人を降りることになりました。
今回阿多妃が四夫人の座を降りるのは、こういった理由も含まれているのではないでしょうか。
猫猫の結論
結論として、壬氏は阿多妃と皇帝の子供なのではないかと猫猫は推測しました。
ですが、そんなのは妄想かもしれないと言って思考をここで止めてしまいます。
確かにここまでの根拠はすべて推測の上で、根拠も少ないです。
そのため猫猫はこの仮説をそこまで真剣に考えなかったのです。
ただ、個人的にはこの壬氏が皇帝の子供であるという説は確定だと思っています。
なぜ今宦官のふりをしているのかなど謎は残りますが、壬氏が皇帝の子供であるというのはかなり衝撃的な事実なのではないでしょうか。
こうなってくると壬氏は皇位継承戦などにも参加できるほどの身分ですよね。
今後どのように物語が展開するのか気になります。
この話にとどまらず、後宮編全体で壬氏の正体について考察しました。よかったらこちらの記事もご覧ください▼
壬氏の謎が解明された回でした
今回は薬屋のひとりごと18話「阿多妃」について解説と考察を行ってきました。
最近の話は謎の部分が一気に解明されていくので読んでいて楽しいですよね。
次回もお楽しみに!
ほかにも薬屋のひとりごと関連の記事を書いているので、良かったらそちらもご覧ください。