こんにちは!今回は今大注目のアーティスト”TOMOO”さんの新曲『Present』の歌詞を考察していこうと思います!
『Present』は2024.2.14にリリースされた曲で、吉高由里子さんと宮沢氷魚さんが出演されているGLOBAL WORKさんのCMソングとしても採用されています。
リリースから有線ランキングの上位に頻繁に食い込んでいるような、注目度が高い曲です。
この『Present』はこれまでのTOMOOさんの曲とはまた一風変わった曲で、新たな可能性を見せてくれるような曲のように感じました。
ポップな曲調の中に深い歌詞が隠れていて、歌詞に注目するとより楽曲を楽しめると思います!
ぜひ最後まで読んでいってください!!
1番Aメロ
ちょっとだけこわいの 君にプレゼントするのが
どんなが好き?かって なんとなく知ってるけど自信がないよ
マフラー、ブレスレット
スニーカー、花束にパフューム さっきからもうぐるぐる
TOMOO,Present
この曲では曲名にもある通り「プレゼント」が題材になっています。
1番ではプレゼントを選ぶのに苦労する様子が描かれています。
「どんなが好き?かって なんとなく知ってるけど自信がないよ」という気持ちは、誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
相手の好みは知っているはずなのに、いざプレゼントを選ぶとなると本当にこれでいいのか不安に…なんてことあるあるですよね。
そして歌詞に合わせて曲調も少し不安定な感じの音が使われているのも特徴的です。
後ろで一定の間隔でなっている電子音は、まさにプレゼントを選んでいるうちに自信がなくなってきた人の心情をそのまま音にしたような感じに聞こえます。
「マフラー、ブレスレット etc…」という部分は、具体的で情景が鮮明に想像できますね。
実際にプレゼントを迷っているときって、これと全く同じような思考を繰り返してますよね笑
あれでもない…これでもない…やっぱあっちの方がいいのかな?といった感じに。
TOMOOさんとしては珍しくかなり具体的に情景や心情を描写していますが、それによって曲が始まったばかりなのにもかかわらず悩む気持ちに共感が持ちやすくなっています。
そして少しずつこの曲の真髄のメッセージが見えてくるBメロへと続いていきます。
1番Bメロ
好みじゃなかったらイヤだ ナンセンスじゃないかなあ
ダーツで勝負してるんじゃないよ
いいとこ見せるんじゃなくて いい顔がみたいだけ
それしかないや
TOMOO,Present
BメロでもAメロに引き続き迷う気持ちが溢れだしてしまってますね(笑)
このBメロで特に注目してもらいたい部分は「いいとこ見せるんじゃなくて いい顔が見たいだけ」
この部分すごいと思いませんか?
プレゼントを渡すとなると、どこかで「相手が喜ぶかどうか」以外に、「これをあげる自分ってどう思われるんだろう?」みたいな感情を抱くときありますよね。
でもこれって、実は独りよがりではないですか?
プレゼントは相手に贈るものであって、自分をアピールするものではないですよね。
自分の「いいとこ」を見せるのでは、相手を考えてないただの独りよがり。
相手の「いい顔」を見るために選ぶからこそ、心のこもったプレゼントになる。
当たり前のようで意外と見落としがちなことを、こんなに短いフレーズでなおかつストレートに伝えられるTOMOOさんの作詞センスには本当に舌を巻きます…!
そして楽曲はサビへと向かっていきます。
1番サビ
プレゼントなんてねどっかで的はずれ?
的外れがもし届くなら 君がそうキャッチしてくれたから
だけどね今日も歩いて探す日々に パッと笑った君をイメージして
街はプリズム
TOMOO,Present
先ほどBメロで歌詞を褒めちぎったばかりではありますが、サビの歌詞もそれに負けないくらいすごいので、解説していきます!
なんといっても「プレゼントなんてどっかで的はずれ? 的はずれがもし届くなら 君がそうキャッチしてくれたから」の部分!
「プレゼントはどこかで的はずれ」って視点、斬新ですよね。
プレゼントを選ぶときって、相手が本当に欲しかったものになるようなプレゼントを選ぼうと必死になって選ぶと思います。
でも実際、本当にそのプレゼントは相手が100%欲しいと思っていたものなんでしょうか?
少なくとも100%の正解なんてものは存在しないと思います。
すなわち「どっかで的はずれ」なのです。
だから、プレゼントで大事なのは「君がキャッチしてくれる」かどうかなのでは?とTOMOOさんはこの曲で問いかけているのです。
プレゼントというのは、贈る側も必要ですが、受け取る側もいなくては成り立ちません。
つまり、プレゼントの中身が何であれ必死になって、「ぱっと笑った君をイメージして」選んだものであれば相手は「キャッチ」してくれて、”相手を思ってプレゼントを選ぶ贈り手”と”必死に選んだプレゼントを受け取ってくれる受け手”の二人の気持ちが重なることで真のプレゼントとなるということを表しているのではないでしょうか。
”的はずれでも何でも、必死に選んだというその気持ちが相手に伝われば、最高のプレゼントになる”
そんなメッセージを感じる、プレゼントに関する新解釈のような歌詞が書かれていて、またまたTOMOOさんの才能が光っている箇所です。
2番A、Bメロ
ネイビー、オレンジ
スカイブルー、カメリアにオリーブ
いろんな色の君がいること教えてくれたでしょ
マットもシャイニーも君にある 淡いもビビッドも君のもの
どんな人かなんてすぐ言えやしない君だから
幸せなんだ
TOMOO,Present
2番AメロとBメロはセットでご紹介していきます。
2番では、プレゼントになぞらえて大切な人の魅力を再発見するような歌詞になっています。
1番とはまた違った視点での歌詞が続いていきますよ!
まず注目したいのは「いろんな色の君がいること教えてくれたでしょ」の部分。
「いろんな色の君がいる」というのはすなわち、君という人物をなにか一色では表現しきれない!ということなのではないでしょうか。
プレゼント自体にも、プレゼントの包装にも多種多様の色があります。
それと同じように、「君」の魅力も多種多様の色があって一言では表しきれない。
これと同じようなことを歌っているのがBメロラストの「どんな人かなんてすぐ言えやしない君だから幸せなんだ」。
二つの歌詞に共通するのは、”一言では言い表せないほどの色んな面をあわせ持つ君だからこそ大切な人なんだ”というメッセージではないかと思います。
人の魅力を一言で表す機会って意外と多いと思うのですが、本当のところそんなことって不可能に近いですよね。
どんなプレゼントがいいか迷うくらい色々な顔を持つような、一言では言い表せないほどの魅力を持った人。
そんな人をTOMOOさんは歌を通してそっと認めてくれている部分なのかなと思います。
2番サビ
プレゼントなんてねどっかで的はずれ?
的はずれがもし届くなら 君がそうキャッチしてくれたから
だけどね今日も迷って探す日々が きっと幸せだって気づいたから
少しだけ待ってて
TOMOO,Present
サビは前半部分は1番と同じ歌詞になっています。
後半部分が少し違っていて「だけどね今日も迷って探す日々がきっと幸せだって気づいたから」とまたまたものすごいメッセージをはらんだ歌詞がやってきます。
いままでプレゼントを何にしようか?独りよがりになってないか?などと悩みに悩んでいる歌詞でした。
でも、よくよく考えてみたら迷ってプレゼントを探す日々すらも幸せなのではないか!
プレゼントは渡して喜んでもらうだけにとどまらず、選んでいる過程から幸せにあふれているという新たな視点からの考え方に感銘しました。
確かに、プレゼントは選んでいるときも楽しいものです。
いいのが決まらなくて苦しい反面、どこか選ぶのが楽しい部分もあります。
この楽しい部分を見失ったらそれはもうプレゼントとは言えなくなってしまうのではないでしょうか?
プレゼントという題材からここまで深い歌詞が出てくるなんてすごいですよね。
ぜひ大切な人にプレゼントを選んでいるシーンを想像しながら聴いてほしい部分です!
Dメロ
ちょっと目を離した隙に
ナーバスな顔でほら 自分に向こうとする矢印だ
いいとこ見せるんじゃなくて いい顔が見たいだけ
それしかないや
TOMOO,Present
ここで一転、歌い出しと同じように楽器が少なく少し落ち着いた雰囲気になります。
このような曲調になると歌詞にスポットが当たるので、一層歌詞が際立って聴こえてくると思います。
「ナーバスな顔でほら 自分に向こうとする矢印」というのは、プレゼントを通して「いいとこ」を見せようとしてしまうことを指しているのだと思います。
つまりここは1番そしてこの後もう一度出てくるの「いいとこ見せるんじゃなくていい顔が見たいだけ」につながっている歌詞です!
ナーバス、つまり自分に自信がないような顔で自分に向こうとする矢印なので、これは”何とか自分をよく見せたいという気持ちが出てきて、自分のことしか考えてない独りよがりのプレゼントを選ぼうとすること”を表しているのでしょう。
プレゼントを選んでいると、一回はこれを渡したらどう思われるかなと考えを巡らせてしまうものです。
しかし、それは相手を思ったプレゼントではありませんよね。
プレゼントは相手のことを思っているから、相手がキャッチしてくれるという重要な部分を強調して表現しているのがこのDメロです。
大サビ
愛なんていつも少しだけ的はずれ
的外れがもし届くなら 君がそうキャッチしてくれたから
愛ならそうだよひとりで仕上げないで
パッと笑った君をイメージして心は透き通る
悩んで選んでイメージして 君のところへ
TOMOO,Present
ここでいきなり歌が「愛」についての歌詞になります。
いきなりのように感じられ、少しびっくりしますが愛=プレゼントという発想が想像以上にマッチしていて、意外と歌詞がしっくりくると思います。
プレゼントが的はずれでも、その気持ちが届いて受け取ってもらえればそれが一番であるというのと同じように、愛も少し的はずれでも気持ちが届けばそれは本物の「愛」。
こう聞くと愛とプレゼントってかなり似ているもののように感じられると思います。
プレゼントと同じように、
“愛も的はずれでも、気持ちがこもっていればきっと相手が受け取ってくれる。だから的はずれだっていいじゃないか!”
といったメッセージが感じられます。
愛とプレゼントをつなげた歌詞を思いつけるTOMOOさんの感性は流石の一言です。
そしてこれで終わりではなく、さらに名歌詞が続いていきます。
「愛ならそうだよひとりで仕上げないで」
またまた深い、そして心に刺さる歌詞です。
先ほど書いたように、的はずれであれど相手がキャッチしてくれれば愛ははぐくまれます。
だからこそ愛はひとりで完成させるものではなく、”一緒に”仕上げるもの。
言われてみると本当にその通りだなと思います。
愛って結構表現するのが難しいものですが、やはりその愛が伝わるのってその大切な人と一緒に時間を共有したときだと思います。
愛はひとりではなく一緒に作っていくもの。
最後の最後にものすごく深くて、真理を突いた歌詞が出てきて、改めて『Present』名曲だなと感じます…!
TOMOOとは
2022年にデビューしたシンガーソングライターのTOMOOさんの紹介を最後に少しだけ。
東京都出身 / シンガーソングライター
6歳よりピアノを始める。 のちに、聴いたことがない楽曲の歌詞に自分で即興のメロディをつけ歌って遊んでいたことなどをきっかけに、作曲に興味を持つようになる。
中学に入りオリジナル曲の制作を開始。その後本格的に音楽活動をスタートさせる。
2022年8月3日、PONYCANYON/IRORI RecordsよりMajor 1st Digital Single「オセロ」をリリース。
2023年9月27日、1st Album “TWO MOON”をリリース。
同年11月よりTOMOO LIVE TOUR 2023-2024 “TWO MOON”を開催。
(TOMOO公式サイトより)
TOMOOさんは比喩や対比を用いた文学のような美しい歌詞と、力強いアルトボイスが魅力的なアーティストさんです。
代表曲の一つであるインディーズ時代の曲「Ginger」はYoutubeで300万再生を「Super Ball」は450万再生超えています。
2024年始の「関ジャム完全燃SHOW プロが選ぶ2023年のマイベスト10曲」では2位に「Grapefruit Moon」、1位に今回ご紹介する「Super Ball」がダブルで選出され、以降さらに人気が増してきています。
今後J-POPの筆頭を担っていけるような、大注目のアーティストです!!
ここからブレイクすること間違いなしなアーティストです!
明るい曲調に込められた深い歌詞、それが『Present』
今回はTOMOOさんの『Present』の歌詞を考察していきました。
明るい曲調に惑わされそうですが、プレゼントの話から始まり最後には愛について語るという、想像以上に深い歌詞になっています!
実際この記事を書くまでに何回も何回も『Present』を聴きましたし、執筆にも時間がかかりました。
そのくらい深い『Present』今後もぜひたくさん聞いていってください!!
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