こんにちは。
今回は薬屋のひとりごと11~12話の「里帰り」編の解説と考察をしていきます。
個人的には薬屋のひとりごとはこの里帰り編を境にさらにミステリー要素が強くなっていったように感じています。
つまり私にとってこの話は一種のターニングポイントだと思っています。
そんな重要な回だけに、内容もいつもより難解なものになっていました。
そして結論も結局明示されない部分が多くありました。
今回は私なりにこの事件の真相を考察していこうと思います。
あらすじ
まずはざっくりあらすじを振り返っていこうと思います。
李白の助けによって久しぶりに里帰りを果たす猫猫。
なんと猫猫は最高クラスの妓楼の人々と顔なじみだった。
里帰りをしてのんびりと過ごす猫猫の前に、禿がやってきて義所が倒れたという報を受ける。
処置をしながら猫猫は周りの人間の反応に不信を覚える。
事件の真相を徹底考察
今回はこの記事で里帰り編の全容を考察していこうと思います。
頑張って考察していくので、ぜひ最後まで読んでいってください。
最初に結論
最後まで伸ばしても意味がないので単刀直入に言うと、一見男の心中が起こったように見えるこの事件は実は妓楼が一体となって男を殺そうとした策略だと考察します。
作中でも猫猫が妓楼の人々に対して不信感を抱いているシーンがありましたが、それも妓楼全体を疑っていたからだと思われます。
ではなぜこのような結論に至ったのか説明していきます。
事件の流れ
まずは事件の流れを整理していきましょう。
簡単に図示すると↓のようになります。
これを見る限り、憎まれていた男が偶然にも女と心中したようにも捉えられると思います。
猫猫が感じた違和感
ただ、猫猫は心中と考えるとおかしい点に気づきました。
それは男の身分と容姿です。
男は身分が低いため女と結ばれないような状態ではないし、容姿もいいのでほかにも伝手があった可能性もあります。
気に入った女と結ばれないがゆえに自殺をしようとするほど追い詰められているようには猫猫には感じられなかったのです。
猫猫の推理
ここからは作中で言及された猫猫の見解をまとめていきます。
猫猫の見解では、妓女は男を殺そうとしたと推理しています。
そこで使ったのがタバコの毒とストロー、そして密度の違う酒です。
上澄みに毒酒を入れて下に普通の酒を入れることで、妓女は男を殺そうとしたと推理していました。
ストローなら上澄みを飲まずに、下だけ飲むのが可能ですからね。
つまり妓女は助かる範囲の少量の毒しかとっていなかったということです。
【補足】重さの違う酒
妓女が使ったのは重さの違う酒。
実際に二つに分けることなんて可能なのかと疑問に思った方もいると思います。
ですが実際にこれは可能です。
一番身近な例としては、二層に分かれたカフェラテなどがあります。
物質にはそれぞれ1g当たりの重さ(密度と言います)が決まっています。
密度が大きければ浮き、小さければ沈みます。
氷が水に浮くのも同じ原理です。
カフェラテはコーヒーとミルクという同じ液体ですが、分離します。
同じように酒も密度が違うと分離するのです。
注目ポイント
ではここからは今までのことを踏まえて、これが心中ではなく妓楼全体がグルとなった殺人だと考察できるポイントを4つ紹介していこうと思います。
たくさんヒントがちりばめられているので、ぜひアニメやマンガを再度チェックしながら読んでみてください。
禿が薬屋を呼びに行った
まず一つ目は禿の行動です。
容態が悪くなった妓女を発見した禿は猫猫の薬屋まで駆け付けました。
猫猫やおやじ殿の能力をみれば我々読者にとっては最善策をとったように感じられるかもしれません。
ただ、冷静に考えてみるとおかしいことに気が付きます。
現実で目の前で人が倒れたときに皆さんは薬局に行きますか?
そんなことないですよね。おそらく病院に連絡すると思います。
花街にも医者の一人や二人はいるでしょう。
なのにもかかわらず薬屋を呼んだのはおかしいです。
しかもその妓女は禿にとって大切な人。
これは、その妓女が死なない程度にしか毒をとっていないことを知っていたからこそできたことなのではないでしょうか。
薬屋を呼ぶ方が容態が悪い男のほうは回復が遅くなる、または回復しきれない可能性が高まります。
つまり、禿は事件の概要を知っていたからこそあえて薬屋を呼びに行った、共犯者である可能背が高いです。
羅門(おやじ)を呼ぶのが遅かった
これもまた禿の行動です。
猫猫が到着した後に猫猫はおやじを呼ぶように禿に言いつけました。
ただ、足の状態がよくないおやじ殿を思ってなのかかなり時間をかけて到着しました。
しかしながら、これも禿が共犯者と仮定するとあえておやじ殿の到着を遅くさせたのではないでしょうか。
まだひとりで薬屋をやるには至っていない若い猫猫をひとりにしておく方が男は回復しにくいと思ったのでしょう。
実際には猫猫も処置は十分にできていて回復してしまいましたが。
ここから禿が共犯なのは確定といっていいでしょう。
やり手婆が猫猫たちに茶菓子をふるまった
やり手婆の行動にも疑問が残ります。
客と妓女を助けてもらったお礼として茶菓子などをふるまいました。
猫猫も言っているように、客用の茶菓子をふるまうのは少し豪勢なような気がします。
これもやり手婆が事件の概要を知っている共犯だとしたらなぜこのような行動をとったのか理由がはっきりします。
金は払うからこの事件のことはこれ以上詮索しないでほしい、そう思っていたのではないでしょうか。
このような殺人未遂事件が妓楼で起こったとなれば妓楼の評判はがた落ちです。
それだけは避けたかったのではないでしょうか。
ここからやり手婆も共犯だといえます。
禿に同情する妓女
禿が男を刺そうとして止めた際に出てきたほかの妓女も怪しいです。
確かにお抱えの禿がこんな行動を犯したのを許してほしいと思ったのは事実でしょう。
ですがそうとは言っても禿の行動を何も否定しないのはおかしいです。
どんな事情があれ人を殺そうとするのはいけないことです。
ですがこの妓女は猫猫に禿の気持ちを分かってほしいと言っただけでした。
これもこのほかの妓女が事件の共犯者だとすれば、失敗した計画を取り返すために禿がした行動を内心やってほしいと思っていたのではないでしょうか。
この妓女もおそらく共犯なのではないでしょうか。
まとめると
ここまでの考察をまとめると、
妓女、禿、やり手婆、ほかの妓女
全員が共犯ということになります。
ということは、この男の殺人未遂事件は妓楼が一体となって行なったことだと考えられるのではないでしょうか。
このような根拠からこの事件は妓楼全体が仕組んだ事件だといえると思います。
「里帰り」編の考察でした
今回は薬屋のひとりごと11~12話の里帰り編の考察をしてきました。
実は小さな事件に見えて裏に大きなたくらみが潜む事件でした。
薬屋のひとりごとの中でもかなり考察しがいのある事件なのではないでしょうか。
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