こんにちは。
今回はこれから流行るであろうアーティスト、TOMOOさんの曲の歌詞を考察していこうと思います。
その曲の名は「オセロ」。
TOMOOさんがメジャーデビューを果たした記念すべき曲です。
過去にあったつらい思い出をひっくり返すやる気をもらえるような、そんな曲になっています。
ぜひ最後まで読んでいってください!
TOMOOとは
東京都出身 / シンガーソングライター
6歳よりピアノを始める。 のちに、聴いたことがない楽曲の歌詞に自分で即興のメロディをつけ歌って遊んでいたことなどをきっかけに、作曲に興味を持つようになる。
中学に入りオリジナル曲の制作を開始。その後本格的に音楽活動をスタートさせる。
2022年8月3日、PONYCANYON/IRORI RecordsよりMajor 1st Digital Single「オセロ」をリリース。
2023年9月27日、1st Album “TWO MOON”をリリース。
同年11月よりTOMOO LIVE TOUR 2023-2024 “TWO MOON”を開催。
(TOMOO公式サイトより)
2022年にデビューしたシンガーソングライターのTOMOOさん。
代表曲の一つであるインディーズ時代の曲「Ginger」はYoutubeで300万再生を超えています。
比喩や対比を用いた文学のような美しい歌詞と、力強いアルトボイスが魅力的なアーティストさんです。
2024年始の「関ジャム完全燃SHOW プロが選ぶ2023年のマイベスト10曲」では2位に「Grapefruit Moon」、1位に今回ご紹介する「Super Ball」がダブルで選出され、以降さらに人気が増してきています。
今後J-POPの筆頭を担っていけるような、大注目のアーティストです!!
歌詞考察
1番Aメロ
踏み台にできるものなんて一つもない
やになるほどずっと覚えてる
雑ならさよならも 溜め込んだ優しさも
返せないままのメッセージも
TOMOO「オセロ」より
何度も脳裏に浮かぶような失敗を経験したことはありますか?
そんな時は「やになるほどずっと覚えて」いますよね。
かといってこの失敗を踏み台にできるほどまだその失敗を乗り切れていない。
そんな経験、誰も経験したことがあるのではないでしょうか。
この歌の冒頭ではそんな悩みがつづられています。
- 友達に雑に言われた別れの言葉
- 自身にため込んでいった優しさ
- 自信がなくて言い返すことができなかった言葉
ぜひご自身の経験と照らし合わせながら聞いてみてください!
普通の歌であれば、この失敗を踏み台に頑張っていける!といった内容の歌詞が出てきてもおかしくないですが、「踏み台にできるものなんて一つもない」とうたってるのが印象的です。
実際にはそう簡単に次への糧へと失敗を切り替えられませんよね。
理想論を言わずに、寄り添った歌詞で歌っているところで共感性が高くなっているように感じます。
お揃いで見れる夢なんていくつもない
歩き続けてまた会えるかな
もうちょっとやめないよ
ギリギリのオセロ
TOMOO「オセロ」より
友達といっしょに臨んだ挑戦。
でもつねに「お揃いの夢」をみれることはないです。
時には片方だけ夢がかなわないこともしばしば。
例えばいっしょに目指していた夢があったとしても、片方だけ叶って片方は失敗、そして別々の道に進むことになってしまった。
そんな時は「歩き続けてまた会える」のかどうか…置いていかれたような感覚に陥りますよね。
でも、まだあきらめたくない。
ギリギリですべてをオセロのように裏返す日を願ってまだ挑戦し続けるのです。
ここでも先ほどと同じように、ポジティブに振り切っているのではなくネガティブな歌詞も含んでいるのがすごいと思います。
「もうちょっとやめないよ」と強気な歌詞があると思ったら、「歩き続けてまた会えるかな」と少し弱気になっています。
ここら辺の気持ちの不安定さがリアリティーがあってより共感できますよね。
1番Bメロ
枯葉踊る乾いた花道を走って
紙吹雪はないけど ど真ん中歌って
TOMOO「オセロ」より
「枯葉踊る花道」、面白い表現ですよね。
花道というと華やかなものをイメージしますが、これは枯葉が踊る花道。
花道という華々しいものと枯葉という寂しげなものを一緒に描写するのが斬新です!
こうやって華やかに見えて物寂しい描写は、失敗して花道が廃れてしまった主人公を表現しているのだと思われます。
ポジティブにはなり切れないけど、ネガティブではない主人公の様子を情景描写を使ってうまく表現されています!
1番サビ
君といつからだってはじめる
Play back
懲りないエンドライン
どうやったって聴こえるまんまでいいよ
不穏なメロディ
TOMOO「オセロ」より
不安定な心情のまま入ってきたサビの部分。
ここでは主人公の決意なようなものが見え隠れする歌詞になっています。
「君といつからだってはじめるPlay back」からは敗れた夢にもう一度挑戦しようとする気持ちがうかがえます。
曲名「オセロ」にもある通り、挑戦しなおすことを「Play back」とオセロのゲームを始めるような表現になっている点が面白いです。
「懲りないエンドライン」という表現からは「懲りない」という客観的な表現を用いることで、ポジティブでもネガティブでもない不安定な主人公の心情をうまく表現しているように感じます。
懲りずに頑張っているほど気持ちが高まっているわけではないが、完全に諦めたわけでもないから「懲りない」といったような描き方になっているのだと思います。
「どうやったって聴こえるまんまでいいよ 不穏なメロディ」からはつらいことを無理して乗り越えなくてもいい!という気持ちが伝わってきます。
挑戦していると「不穏な」こともたくさん起きます。
でもそんなのは「聴こえるまんまでいい」、無理して糧にしたり乗り越えなくてもいい。
これはAメロの「踏み台にできるものなんて一つもない」と繋がる歌詞だと思います。
この曲は一貫して”失敗を無理に糧にするのではなく、そのまま受け止めるようなことがあってもいいのではないか”といったメッセージが感じられます。
いつか笑って話せる YOU YOU
見てないエンドライン
目を閉じたって映るあの日に
バイバイ言わないからさ
TOMOO「オセロ」より
何度も挑戦し続ければいつかまた笑って話せる日がやってきます。
そんな日を目指して主人公は挑戦を続けます。
冒頭にやになるほど思い出すものがありました。
ですがそんな「目を閉じたって映るあの日」も忘れる必要はないです。
「見てないエンドライン」は先ほどの「懲りない」から言葉が変更されており、もはやエンドラインなんて見てないと割り切れた主人公の姿が浮かびます。
人生はオセロのようなものです。
黒が続いているならば、それはピンチではなくチャンス。
いつか白を置いてひっくり返す日のために無理して黒い過去を忘れるのではなく、経験として覚えていくことも大事なのです。
実際に失敗の記憶がのちの成功体験の手助けになることはよくありますよね。
だからこそこの楽曲では無理して失敗を乗り越えることはしなくてもいいと歌っているのではないでしょうか。
一個一個失敗を乗り越えて、一個一個黒を白にひっくりかえさなくても、いつか勝手にオセロのようにすべてひっくり返ることもあります。
無理に「あの日にバイバイ」を言う必要はないのです。
失敗を乗り越えられなくて苦しんでいる人にとっては、とても勇気の出るメッセージです!
人生はオセロ、面白い視点で私たちに勇気を与えてくれます。
2番Aメロ
悲しい日に君が笑っていたこと
隣でただ唇嚙んだこと
かじかんだ思い出は落ち切った砂時計
君と回す夢をみてた
TOMOO「オセロ」より
ここからは先ほどの記憶のつづき。
「悲しい日に君が笑っていたこと」とは、主人公は失敗して悲しい日にも、成功した君が喜びで笑っていたという記憶でしょう。
これほど悔しいことはありませんね。
「隣でただ唇噛んだ」本当は一緒に喜ぶはずだったのにただ唇をかむしかない主人公。
どちらの表現も情景がリアルにイメージできます。
「落ち切った砂時計」という表現から虚しさが伝わってきますよね。
「君と回す夢」と夢で終わってしまった事実に主人公の悔しさがにじんでいます。
Bメロ
枯葉踊る花道の向こうへ
紙吹雪はないけど ど真ん中笑って
TOMOO「オセロ」より
先ほども出てきた「枯葉踊る花道」。
ですが今回はその花道の「向こうへ」。
枯葉が踊る荒んだ花道の先の世界へと主人公は挑戦していく様子がイメージできます。
2番サビ
いつからだってはじめる
Play back
懲りないエンドライン
どうやったって聴こえるまんまでいいよ
不穏なメロディ
いっせーのでたたいた鍵盤 見てないエンドライン
目を閉じたって映るあの日に
バイバイ言わないからさ
TOMOO「オセロ」より
一番との違いは後半部分。
「いっせーのでたたいた鍵盤」、ついに決心して挑戦していく号砲のように私は感じました。
ここで少し注目したいのが「鍵盤」という言葉。
特にTOMOOさんが意識したわけではないようですが、ピアノの鍵盤もオセロと同じく白黒で構成されています。
オセロも鍵盤も白黒がすぐ隣にあると考えると面白いですよね。
オセロと同様に鍵盤も、半音ずれればすぐに白になったり黒になったりします。
ここから、つらいこともすぐに楽しいことに変わるといったような想像もはせることができる箇所のように感じました。(TOMOOさんはそこまで意図していないと思いますが、聴き手の勝手な解釈です)
2番で鮮明に過去の悔しい思い出について描写されたので、より最後の「バイバイ言わないからさ」が心に響きます。
そして曲は最後の大サビに向かっていきます。
大サビ
いつからだってはじめる
Play back
懲りないエンドライン
どうやったって聴こえるまんまでいいよ
不穏なメロディ
いっせーのでたたいた鍵盤 見てないエンドライン
目を閉じたって映るあの日に
バイバイ言わないからさ
TOMOO「オセロ」より
最後の最後にもう一度同じ歌詞が繰り返されます。
この歌で何度も強調されているように、人生とはオセロ。
苦しい思い出もいつか一気に白に裏返すことができる。
だから嫌な思い出も忘れずに引き連れて、大逆転しよう
というメッセージを改めて実感します。
考察まとめ
ここまでオセロの歌詞の解説をしてきました。
人の成長、人生をオセロにたとえた楽曲という面白い視点の曲でした。
TOMOOさんはオセロのBehind The Scenesにて
- オセロの白と黒という相対するものが裏表にある面白さ
- 黒が続いても一気に白にひっくり返せる逆転性
に注目してこの曲を作ったと言っていました。
この曲はその通りに、辛いことが続いてもひっくり返せるときがくるという希望を感じられるような曲だと思います。
曲調のほうも、ダークな空気と明るい空気が混ざったような曲調で、このオセロの逆転性というものが現れていると思います。
ぜひこの部分にも注目してもう一度オセロを聴いてみてください。
(オセロ Behind The Scenes▼)
以上が考察です
今回はTOMOOさんの「オセロ」について歌詞を考察してきました。
辛いことが続いているときに希望を与えてくれるような、応援ソングでした。
これを機にTOMOOさんを知ったという人はぜひほかの楽曲もどれもいい曲ばかりなので、聴いてみてください。
お読みいただきありがとうございました!
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