こんにちは。
今回は薬屋のひとりごと一話「後宮の呪い」の解説や考察を書いていこうと思います。
私はビッグガンガン版の漫画を主に読んでいますが、時折原作小説の内容も踏まえながら説明をしていこうと思います。
一話で何か疑問を感じた方は、この記事でその疑問が解消できると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
「おしろいは毒」は本当?
猫猫はおしろいは毒だと言っていましたが、果たして本当におしろいは毒なのでしょうか。
まずはこのおしろいは毒なのかについて解説するべく実際に調べてみましたのでご覧ください。
昔のおしろいには鉛や水銀が含まれている
調べてみてわかったのですが、実は昔のおしろいには鉛や水銀が含まれていたそうです。
今では鉛や水銀は人体に有害であるということは周知の事実ですが、その頃はまだそのような考えが広まっていなかったのでしょう。
鉛の毒性
鉛は、特に脳や肝臓に蓄積します。
蓄積した結果、毒性の症状として手足のしびれや筋肉のけいれんを引き起こします。
実は鉛は
という点から手に入れやすいモノであったそうです。
そのため鉛はよくおしろいに使われていました。
鉛は触れるだけでは毒性はないそうですが、経口摂取をしてしまうと毒が回ってしまいます。
おしろいとして塗っていれば赤ちゃんもいつの間にか経口摂取してしまうので東宮が亡くなってしまうのもうなづけます。
水銀の毒性
水銀は鉛以上に危険なものという認識が今では一般的ですね。
水銀は特に消化器系や腎臓に障害を与え、その症状として
などがあります。
気付いたでしょうか、これは小蘭が言っていた噂の内容と一致しますね。
おそらく作中のおしろいは水銀が主成分のものだったのでしょう。
水銀も先ほどの鉛と同様にかなりメジャーな材料だったそうです。
実は日本でも昔は同じおしろいが使われていた
実は鉛や水銀が含まれるおしろいは中国に限らず日本でも使われていました。
日本は中国の文化をよく取り入れていたので、その一環で伝わったのでしょう。
とくに江戸時代ごろになるとおしろいは庶民の手にもわたるようになります。
日本でも実際に使われているとなると、現実味が増しますよね。
なお、今の化粧品はもちろんですがそのような有害物質は使用されていないのでご安心ください。
作中で誰がおしろいを使っていたのか
では「薬屋のひとりごと」では誰がこのおしろいを使っていたのでしょうか。
結論から言うと
がおしろいを使っていました。
玉葉妃自身はもともと肌が白かったことでおしろいは使っていなかったようです(二話の内容)
梨花妃は本人にも毒が回っていたように、おしろいをかなりの量使っていました。
おそらく毒でこけた肌を隠すためにおしろいの量をどんどん増やしていったのでしょう。
玉葉妃の娘の公主は、玉葉妃がおしろいを使う乳母を解雇したことで一命をとりとめましたが、梨花妃の息子の東宮は命を落としてしまいました。
梨花妃がなぜおしろいをやめなかったかの理由はのちに明かされます。
本当に昔のおしろいが毒だったなんて知りませんでした。
薬屋のひとりごとは勉強になりますね。
壬氏はなぜ猫猫を特定できたのか
続いてはなぜ壬氏が猫猫を特定できたのかについて解説していきます。
正直この件に関しては、ビッグガンガン版の漫画だけではすぐに理解するのは難しいと思います。
小説も合わせたほうが理解しやすいので今回は小説の内容も踏まえて解説していきます。
壬氏の持っている情報
まずは壬氏が持っているおしろいは毒と知らせた人物に関する情報を整理していきます。
騒動の際に猫猫とすれ違う
猫猫が原因がおしろいだと確信した、梨花妃と玉葉妃の言い争いの騒動の際に壬氏もいました。
そこで壬氏は猫猫とすれ違います。
あの場では皆があの騒動に注目している中で逆方向に走り去っていく猫猫は目立ったでしょう。
しかも
書けるものさえあれば
薬屋のひとりごと1巻より
とつぶやいたのも聞いています。
その時に何となく壬氏は
という特徴を認識しました。
余談
実は壬氏があの騒動に来たのは、騒動を止めるためだったそうです。
宮中の花たちがこんなところで騒ぎを起こすなどはしたない、それを収めるのが彼の仕事の一つだった。
日向夏、「薬屋のひとりごと」より
あの日、私が医師に娘を診てもらうようにいったときです。結局、貴方の手を煩わせただけの後、窓辺に置いてありました。石楠花しゃくなげの枝に結んで
日向夏、「薬屋のひとりごと」より玉葉妃の壬氏に向かってのセリフ
このセリフや描写から、壬氏があの騒動を止めたのは確かです。
一体壬氏は何者なのか、これは「薬屋のひとりごと」の大きな謎の一つですよね。
玉葉妃との会話
ビッグガンガン版のマンガでは大きく割愛していますが、壬氏と玉葉妃が話している場面は小説版ではもっと長いです。
その中で、壬氏が猫猫の書いたメモを見て
たどたどしい字は、筆跡をごまかすようにも見える。しかし、どこかしら女性的な文字に見えた。
日向夏、「薬屋のひとりごと」より
と感じています。
そして、玉葉妃がこのメモがあの妃が言い争った騒動の後でおかれたものであったと壬氏に言った後に
あのときの騒動。
そういえば、野次馬の中にひとりわれ関せずという下女がいたというのを思い出した。
なにかをぶつぶつ言っていた。
なにを言っていた?
『なにか、書き物はないか?』
ふと、なにかが頭の中につながった。
くくくっと、笑いがこぼれる。天女のような艶やかな笑みが浮かんだ。
日向夏、「薬屋のひとりごと」より
という描写が書かれています。
ここで壬氏はすれ違った猫猫がメモを書いた本人ではないかと推測したのです。
また、猫猫のメモを手に取りながら
壬氏はさわり心地のある布に記憶をたどらせた。
日向夏、「薬屋のひとりごと」より
という記述もあります。
おそらく猫猫が作業着を破って書いていたので、この布が作業着だと分かったのです。
これにより壬氏はかいたものの階級も判別できるようになりました。
これにより壬氏は
という情報がそろいました。
ここで壬氏はあぶりだすために行動を起こすのです。
情報をもとに猫猫を特定
ではようやく壬氏が猫猫を特定したトリックを解説していきます。
壬氏はまず
に当てはまる下女を手当たり次第に集めました。
そして
そこのソバカス女 お前は居残りだ
薬屋のひとりごと1巻より
という文字を見せた後で
今日はこれだ解散だ 部屋に戻っていいぞ
薬屋のひとりごと1巻より
と声をかけたのです。
これを行うと、文字が読めない普通の下女たちは言ったことしか理解ができないので、素直に帰ります。
一方猫猫は文字が読めるので、帰るのをためらってしまいます。
つまり、猫猫だけがその場所に残るのです。
それを猫猫は
…この部屋で文字を読める下女は私だけ
薬屋のひとりごと1巻より
と察しましたが時すでに遅しでしたね。
このようにして壬氏は猫猫を特定しました。
ただ、猫猫が言っていたようにそこまでして特定するなんて暇すぎですよね。
どうしても毒の知識のある人物が必要だったのでしょうか。
何か裏があるような気がします。
壬氏の謎は深まるばかりです。
一話「後宮の呪い」の解説・考察おわり
いかがだったでしょうか。
今回は一話「後宮の呪い」の解説と考察をしてきました。
できる限りわかりやすく解説したつもりでしたが、まだ理解できないという人は小説版の薬屋のひとりごとも読んでみてください。
また、ほかの話も考察を書いていこうと思います。
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